常勝必見の「ドル円/今日の設定レンジ」は毎日更新⇒

こんにちは。天野愛菜です。

昨日のドル円は、動きがはっきりしてくれていたので、トレードは「オートパイロットモード」でした。
私がそうですから、海外トレーダーの皆さんも時間に余裕があったのでしょう。

世界株安からの円買い

昨日はトレード中から、世界的な株価暴落についての話が、ネットの世界で持ちきりでした。

株価暴落ということは、「株を売る」⇒「資金を手元に戻す」ということ。
ではその資金はどこに移動させているのか、というとそれは「為替」の話です。
結論からいうと、海外トレーダーは、その資金を「日本円に換えている」といっていました。
話に参加している人たちは「今、日本円を買っているよ」と。
そこまでは為替のチャートをみればわかりました。
どの通貨ペアもすべて「円高」=「円買い」。

どうしてなのかは、日本円は安全だから、でいいとして、ではそのきっかけはなんだったのか?ということです。

中国の戦略的仕返し

それについては、私が何度かブログで取り上げた「中国の携帯会社HUAWEI(ファーウェイ)」の副会長兼最高財務責任者(CFO)がカナダで1日に逮捕されていた。近々米国に移送」という報道が原因という意見が大多数でした。

昨日の日本時間の午後5時。上海市場が閉まってから欧米株の先物が下落開始。
ドル円が急落に向かった時間です。
中国の怒りが、爆発した瞬間でした。

「中国への輸出関連企業の株式を、中国(人)が大量に保有している」とは世界市場では有名な話ですが、それを欧米市場の開場前に一斉売却しました。

「上海総合株価」への影響を最小限に抑えるために、その後8時間後には下がったところで買い上げ。

最終的には「中国が売却益を得て、価格の下がった株式を再び保有して、更に影響力を高める結果」となりました。

今日の上海総合株価は、正午現在「前日比プラス」で推移していることでも理解できると思います。

昨日の世界同時株安で、被害を受けていないのは中国だけ。

中国のフラストレーション

先のG20で、習近平主席がひとり孤立していた状況がテレビに映し出されて中国のネットでは
「世界の英雄、世界経済を支えている中国を、習近平主席をコケにしている。目に物を見せてやろう!」
という書き込みが増えていました。

そこに今回のファーウェイ副会長兼CFOの逮捕で、火がついた感じです。

「中国は景気が悪くなっている」と言われていますが、経済の分母が大きな国ですから、今でも世界中を観光して、世界中の企業や土地を買いあさり、世界中で資産を増殖させています。
その資産のなかには当然「株式」が含まれているわけですが、それは中国に取っては大きな武器になっています。

かつて日本がプラザ合意で欧米からいじめられた時の切り札も「株式」でした。
あの程度で済んだのは
「これ以上日本をいじめると、日本が持っている皆さん方の国の<軍需産業株>を売却しますよ。」という脅しが利いたから。

この話は、プラザ合意の時の首相・中曽根康弘氏が尊敬していた瀬島龍三先生から、猪八戒先生とご一緒したときに出た話題です。

瀬島龍三先生は伊藤忠商事の顧問室とは別に、赤坂にあったキャピトル東急ホテルの5階に、スウィートルームを改造した個人事務所をお持ちでしたが、そこで伺った話です。
今では懐かしい思い出…。

つまり今回の中国は、世界に対してかつて日本が取った戦術を、実際に行使したこととなります。

中国は決して嫌いな国ではないけれど

いつも思うのですが、中国政府も中国人も説明が下手。

政府報道官の話ですらそうです。わけがわからない。
言ったつもりになっている。
そういえば口説くのも下手。
私みたいなのでさえ「なんでそう思うかなぁ。あなた中心で私は回っていない」と思う。

貿易関税のこともそう。今回のファーウェイ・副会長兼CFO逮捕のこともそう。

不買い運動も、反日・反英・反ドイツ・反韓運動もそう。

南沙諸島や尖閣諸島の問題もそう。

世界の秩序よりも、中国は自分たちの都合と利益を優先する。
そしてすぐに、相手が不快に思う実力行使に出る。

ただ今までのアメリカ大統領には効いたかも知れないけれど、今度のトランプ大統領にはそれが効かない。

裏に回って陰でコソコソやると、トランプ大統領の強烈な逆噴射攻撃が始まって、ますます米中が険悪になってしまう。

そしてそのことが、形になって世界中に被害をもたらす。

トランプ戦略

それにしてもトランプ大統領は「脅しの名人」かも知れません。

習近平主席との最初の首脳会談のその日に、中国と友好関係にある「シリア空爆」

そして今回の首脳会談のときは、ファーウェイ副会長兼CFOの逮捕。

なぜファーウェイ創業者・会長の娘の副会長を逮捕したのかというと、ファーウェイの会長は中国軍のエンジニアチームの元現場リーダー。
今や中国におけるサイバー王国の守護神。
いくらアメリカでもそこまでは手を出せなかった、ということです。

アメリカとしては、今回の逮捕がカナダであったこと、そして中国へ帰国するための乗り継ぎのわずかな時間で実行したことが、中国に対する強烈な圧力になりました。

そして中国は…、報復措置として中国に滞在しているアメリカ人を逮捕するのかな。

「それにしても」と思うことは、昨晩、海外トレーダーが噂していた世界的な株価暴落の原因が、中国の恣意的な行動にあるのならば、自分たちが世界の雄であるというのならば、もう少し考えてから行動してほしいと思ってしまいます。

実際に顧客のオーダーをさばいている海外トレーダーから、
「米国東部時間の正午には、株式のまとまった大量売却はひとまず終わった」と書き込みがありました。

トランプ大統領と習近平主席は、お互いに説明力や説得力が欠如している者同士。
だから世界は、こんなに振り回されてしまいます。

ここはひとつ、今や世界中から期待されている安倍首相に頑張ってもらうしかありません。

(変なまとめになっちゃった…かな。)

昨日の主な経済指標の結果

22:15 米国
ADP雇用統計 [前月比]
結果:17.9万件 予想:19.5万件 前回:22.7万件
⇒結果は相当悪かったにもかかわらず、発表の15秒前に2銭上昇して、発表後に2銭ほど下げて元の位置。1時間ピボットのセンター112.80円で再び膠着。

22:30 米国
貿易収支
結果:-555億ドル 予想:-550億ドル 前回:-540億ドル
⇒昨日の「愛菜の実戦トレード」で書いた通り、結果が悪くても5銭ほど上昇しましたでしょう

24:00 米国
ISM非製造業景況指数(総合)
結果:60.7 予想:59.2 前回:60.3
⇒市場予想、前回よりも結果はよかったです。これは素直に反応しました。納得の上昇でした。

昨日のトレード 利益1円49銭

○下限。ターゲット オールクリア

昨日の「ドル円/今日の設定レンジ」
上限は113.16円。下限は112.73円。

上限越えのターゲットは
113.23円、113.30円、113.38円。
下限越えのターゲットは
112.68円、112.60円、112.52円。

15時過ぎからの買い上げは、ユーロドルが下落したことによるドル円との逆相関。
昨日の「愛菜の実戦トレード」
「アメリカ人が早起きして、更にユーロを売ってドルを買い戻せばドル円は「買い」に転換します。」と書きました。
日本時間の午前中の為替相場から、これはヤバいと思って、アメリカ人は本当に早起きしたみたい。

アメリカでは午前1時。
「Good Morning」ってメールが何通も来ていました。
「なんで起こしてくれないの?」という人もいたけど、私はそこまでマメじゃない。

午前中はユーロドルに連動してドル円も下がりましたが、午後3時からのドル円は逆相関で上昇。
さすがアメリカ。本領発揮!

1回目 15:15
設定レンジ下限112.73円→設定レンジ上限113.16円。「買い」43銭。
⇒日本時間の下げを元に戻しました。

2回目 17:00
113.10円→第2ターゲット112.60円。「売り」50銭。
⇒16時過ぎからユーロドルは荒れはじめました。
欧米為替合戦の様相。
私にお金があったら参戦して、両建て・ナンピン。
5分足なら「High&Low」には自信があるから、ポジションをたくさん作って、方向性を見極めたら片方のポジションを全部切って、最終局面で一発決済!みたいなことを一度でいいからやってみたいなぁ…。

3回目 23:00
設定レンジ下限112.73円→112.30円。「売り」43銭。
⇒昨日の「愛菜の実戦トレード」で書きましたが、第3ターゲット越えの112.30円。
これはドンピシャリ!

4回目 24:00
112.35円→112.48円。「買い」13銭。
⇒昨日の「愛菜の実戦トレード」でもふれたお約束の「ドル高」。
もう少しいくと思っていましたが、市場の皆さんはユーロドルの方で忙しかったみたい

今日のドル円に影響を与えそうな経済指標

※発表時間ですぐに相場が反応したり、ドル円以外の通貨を経由して影響を受けたり、発表時の価格がそれ以降の相場の参考レートになったりします。

12月7日(金曜日)
米国  雇用統計
ユーロ圏 7-9月期四半期域内総生産

8:30
日本 10月全世帯家計調査・消費支出(前年同月比)

9:00
日本 10月毎月勤労統計調査-現金給与総額(前年同月比)

14:00
日本 10月景気先行指数(CI)・速報値
日本 10月景気一致指数(CI)・速報値

16:00
ドイツ 10月鉱工業生産(前月比)
ドイツ 10月鉱工業生産(前年同月比)

19:00
ユーロ圏 7-9月期四半期域内総生産(GDP、確定値)(前期比)
ユーロ圏 7-9月期四半期域内総生産(GDP、確定値)(前年同期比)

22:30
米国 11月非農業部門雇用者数変化(前月比)
米国 11月失業率
米国 11月平均時給(前月比)
米国 11月平均時給(前年同月比)

24:00
米国 12月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
米国 10月卸売売上高(前月比)
米国 10月卸売在庫(前月比)

翌5:00
米国 10月消費者信用残高(前月比)

 愛菜の用語解説 

雇用統計

雇用情勢を調査した景気関連の経済指標。
米国の雇用統計は、毎月第1金曜日に米国労働省が発表します。

ひとくちに雇用統計といっても
失業率・非農業部門就業者数・製造業就業者数・建設業就業者数・小売業就業者数・金融機関就業者数・週労働時間・賃金・平均時給、などがあります。

とくに注目されているのは、非農業部門就業者数の増減(変化)。
米国では業績が悪化すれば、レイオフ(一時帰休)することが多く、日本に比べて、就業者数の増減と景気の連動性が強い傾向にあります。
こうしたことから、この数値が事前予想より大幅に改善あるいは悪化していた場合、ドル円・ユーロドルなどが敏感に反応することが多いことが特徴です。

また最近では「平均時給」で市場が動くことも多くなりました。
一番の理由はFRB(連邦準備制度理事会)が、利上げの要因として重視しているからです。

2018/12/07日(金曜日)
ドル円/今日の設定レンジ
上限は112.76円。下限は112.64円です

ターゲット

設定レンジの上限を越えたらー
112.81円、112.99円、113.10円がターゲット。

設定レンジの下限を越えたらー
112.57円、112.42円、112.32円をターゲットとします。

※設定レンジ内では、設定レンジの上限が抵抗線として上値を押さえ、設定レンジの下限が支持線として下値を支える目安となりますから気を付けてください。
また設定レンジの上限や下限を越えた後は、上限や下限が支持線や抵抗線となります。

「ドル円/今日の設定レンジ」上昇基調です

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「ドル円/日足」113.17円が日足の設定レンジの上限越え

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愛菜の実戦トレード 今日の攻略法

難しい展開です。
午前中はどの通貨ペアでも、エントリー出来ませんでした。

今日の海外トレーダーの基本的なスタンスは、欧州時間は「売り」、米国時間は「買い」のようです。

欧州時間の「売り」要因は、ユーロ圏のGDP、英国のブレグジットとイタリア予算案からの経済不安。

どちらも欧州委員会が絡んでいる話で、頑固な欧州委員会に欧州市場は嫌気。

米国時間の「買い」要因は、米国雇用統計。

昨日発表の「前週分 新規失業保険申請件数」は市場予想よりも悪かったのですが、この指標は毎週発表される本当の「速報値」で、連休や気象状況、災害があるとそれも数字に反映されます。

そのようなこともあって、今晩の雇用統計、とくに失業率への影響は軽微とされています。

★正午現在★
「ドルインデックス」=やや買い
「米国10年債利回り」=やや買い
「ユーロドル」=中立
「ユーロ円」=売り
「ダウ先物」=やや買い

 

今日のドル円のトレード戦略はー

日本時間では、日本の金融機関の買い上げに期待して「買い」。

欧州時間では下がったら追随。

米国時間の始まる午後8時くらいからは、「米国10年債利回り」の上昇が伴っていれば「買い」でポジションを取ってみます。

 

※「愛菜の実戦トレード」の内容は、あくまでも書いている時点というのが前提ですから、要人発言や報道で相場の流れが変わったり、経済指標の発表直前の価格で考えていたように動かないことがあったりするので注意してください。

※欧州勢が参入してくる午後3時~午後4時と、アメリカ勢が参入してくる午後10時前後には相場の流れが大きく変化することがありますから注意が必要です。

 

今週も愛菜のブログを読んでいただいて、ありがとうございました。
あなたがいるから、こんな私でも頑張れます!

よい週末を…

愛菜