常勝必見の「ドル円/今日の設定レンジ」は毎日更新⇒

欧州経済の先行き不安

こんにちは。天野愛菜です。

OECD(経済開発協力機構)が昨日、世界の経済見通しを発表しましたが、もっとも懸念されたのがユーロ圏。

2019年 1.8%⇒1.0%
2020年 1.6%⇒1.2%

これは前回発表の2018年11月からわずか3ヶ月での大幅な引き下げです。

そこで今日のECB理事会が注目されます。

ECBの経済見通しは、2019年・2020年ともに1.7%
まずこれが下方修正されると考えられています。
それにともなって、ユーロ圏のインフレ率も下方修正。

そこで市場が注目しているのが、今週の月曜日のBlogに書きました

「貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO=ティ・エル・トロ)」。

ECB理事会(再掲)

それでは、今週月曜日のBlogの「ECB理事会」のところだけ抜粋します。

欧州経済を牽引しているドイツが、その成長を依存している中国の景気後退の影響をもろに受けています。
欧州経済は小回りが効かない。
収入の分母が小さくなっても支出の分子を小さくする考えが欧州委員会にはないので、足りない分を各国の銀行に頼っていますが、その銀行経営が苦しくなって、企業や個人に貸し出す実質金利が上昇。
そこで銀行金利を下げるための「貸出条件付き長期資金供給オペ」が討議されています。
笑ってしまったのが、銀行に資金を依存している欧州委員会が、銀行支援のためのオペはいかがなものか、と言っていること。
欧州経済の景気減速の要因に、欧州委員会の強権と政治の不透明さにあることがわかっていないからますます混乱してしまうのです。政経分離はあり得ません。

個人的には、聡明なECB理事会の景気浮揚策に期待して「ドル高」と読んでいます。
ユーロ上昇でユーロ円上昇。つられてドル高の相関関係発生です。

ECB理事会からのドル円の行方

月曜日に上記の内容を掲載しましたが、それから4日。

主に欧州トレーダーさんたちから、情報収集をしていました。
代表的なご意見をふたつ紹介します。

「現在の為替は、実需筋は別として投機筋は各国の金利差を基準に資金を移動している。
ECB理事会が開催される日(今日のこと)は、実需筋の動きはないはず。
だから経済見通しに対して、強気の見通しをしない限り投機筋は、ユーロを買うことはないだろう。MANAがトレードしているドル円は、ユーロ円が一時的に円安にふれて、それがドル円に波及すればドル高かな。」

「MANAがBlogで書いていた<貸出条件付き長期資金供給オペ>の実施を、今回で決定してすぐに実施するかわからなくなってきた。理由は<英国のブレグジット>の行方が今週になってさらに不透明になってきたから。結果を見極めて、6月から実施しても遅くはないとECBは判断するのでは、という声が強くなってきている。」

といことで私のECB理事会からのドル円の見通しは、「完璧だったドル高予想から、ドル安になっても限定的で、<貸出条件付き長期資金供給オペ>の実施が確定的と市場が判断すればドル高」に修正です。

ドラギ総裁の発言要旨が、いつもなら前日までにメディアに配布されるのですが、今回はまだ届いていないようです。

ドラギ総裁も悩んでいるのかなぁ。

これからマキちゃんとお買い物

昨日の主な経済指標の結果

22:15 米国
2月 ADP雇用統計 [前月比]
結果:18.3万人 予想:18.9万人 前回:21.3万人
⇒3ヶ月ぶりの低い伸び

22:30 米国
12月 貿易収支
結果:-598億ドル 予想:-579億ドル 前回:-503億ドル

昨日の主な要人発言

ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「米GDPは2%前後まで減速すると予想」
「主要リスクは世界経済」
「金融引き締め政策は思っていたよりも必要は無い」
「高賃金と強い経済のサインを期待したい」

米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「12地区のうち10地区で緩やかな成長が見られた。(下方修正)」
「政府機関の一部閉鎖で小売り・自動車販売・観光などで経済活動が鈍化」
「著しい労働者不足の中、依然として労働市場は堅調」

トランプ米大統領
「中国との通商交渉はよい方向に向かっている」

昨日のトレード 利益33銭

○下限・第1ターゲット

昨日の「ドル円/今日の設定レンジ」
上限は111.91円。下限は111.72円。

上限越えのターゲットは
111.98円、112.07円、112.12円、112.25円。
下限越えのターゲットは
111.65円、111.53円、111.45円、111.33円。

設定レンジ内のバランスラインは、111.78円。

———-欧米時間———-
1回目 18:30
設定レンジ上限111.91円→下限・第1ターゲット111.65円。「売り」26銭。

2回目 1:45
下限・第1ターゲット111.65円→設定レンジ下限111.72円。「買い」7銭。

今日のドル円に影響を与えそうな経済指標

※発表時間ですぐに相場が反応したり、ドル円以外の通貨を経由して影響を受けたり、発表時の価格がそれ以降の相場の参考レートになったりします。

3月7日(木曜日)
ユーロ圏 ECB(欧州中央銀行)理事会
米国  元トランプ選対本部長マナフォート被告への判決

8:50
日本 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)
日本 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)

9:30
オーストラリア 1月貿易収支
オーストラリア 1月小売売上高(前月比)

14:00
日本 1月景気先行指数(CI)・速報値
日本 1月景気一致指数(CI)・速報値

19:00
ユーロ圏 10-12月期四半期域内総生産(GDP、確定値)(前期比)
ユーロ圏 10-12月期四半期域内総生産(GDP、確定値)(前年同期比)

21:30
米国 2月チャレンジャー人員削減数(前年比)

21:45
ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)政策金利

22:30
ユーロ圏 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見

22:30
米国 10-12月期四半期非農業部門労働生産性・改定値(前期比)
米国 前週分新規失業保険申請件数
米国 前週分失業保険継続受給者数

翌5:00
米国 1月消費者信用残高(前月比)

2019/03/07(木曜日)
ドル円/今日の設定レンジ
上限は111.73円。下限は111.57円です

ターゲット

設定レンジの上限を越えたらー
111.79円、111.87円、111.95円、112.12円がターゲット。

設定レンジの下限を越えたらー
111.50円、111.42円、111.36円、111.12円をターゲットとします。

設定レンジ内のバランスラインは、111.64円と111.61円。

※設定レンジ内では、設定レンジの上限が抵抗線として上値を押さえ、設定レンジの下限が支持線として下値を支える目安となりますから気を付けてください。
また設定レンジの上限や下限を越えた後は、上限や下限が支持線や抵抗線となります。

「ドル円/今日の設定レンジ」移動平均線(75)が接近してきました

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「ドル円/日足」上限112.12円 下限111.36円

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愛菜の実戦トレード 今日の予想・攻略法

今日は明日の雇用統計に備えて、経済指標を分析する日。
雇用統計に臨むにあたって市場が気にするのは、

昨日の「2月 ADP雇用統計 」と
今日の「2月チャレンジャー人員削減数」

昨日の「2月 ADP雇用統計 」が予想外に悪い数字でしたので、現在市場は困惑しています。
結果:18.3万人 予想:18.9万人 前回:21.3万人
⇒3ヶ月ぶりの低い伸び

あれ?明日の雇用統計はよくないの?と。

大きく動くことはないのですが、そこで今日の注目は
「21:30 米国 2月チャレンジャー人員削減数(前年比)」
「22:30 米国 10-12月期四半期非農業部門労働生産性・改定値(前期比)」。

悪かったらドル安。よかったら少しだけドル高。

テクニカルでは「売り」です。
「米国10年債利回り」も低下傾向。

それを考えると、いったん上がったところから「売り」で入った方が無難かな、と思っています。
米国時間になったら「上昇」も頭の隅においてトレードします。

 

★正午現在★
「ドルインデックス」 日足=買い 1時間足=買い
「米国10年債利回り」 日足=低下 1時間足=低下
「ユーロドル」 日足=ユーロ売り/ドル買い 1時間足=ユーロ売り/ドル買い

★米ドルと日本円の強さの比較★
1時間足 米ドル<日本円
日足   米ドル>日本円

※「愛菜の実戦トレード」の内容は、あくまでも書いている時点というのが前提ですから、要人発言や報道で相場の流れが変わったり、経済指標の発表直前の価格次第では考えていたように動かないことがあったりするので注意してください。

※欧州勢が参入してくる午後3時~午後4時と、アメリカ勢が参入してくる午後10時前後には相場の流れが大きく変化することがありますから注意が必要です。

ブルームバーグさんやロイターさんは、もう一段の「ドル高」を望んでいて、昨日の貿易収支の発表のなかで「2018年 モノの貿易赤字が8,787億200万ドル」と過去最大の赤字を出してしまったトランプ政権と財務省は、輸出企業のために「ドル安」を望んでいます。

明日の雇用統計もわからなくなって来ましたし、久しぶりに難しい局面です。

今日は、上下に振られても落ち着いた対応でトレードしましょう、ね。

天野 愛菜(まな)