常勝必見の「ドル円/今日の設定レンジ」は毎日更新⇒

こんにちは。天野愛菜です。

今週の注目はFOMC。

先週の木曜日に「中期的展望・7月の利下げ期待に暗雲」と書きましたが、中期展望ではなく、短期展望になるかも、という感じの市場です。

今月に入ってから、
「7月19日 27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表では0.25%の利下げ」と言われていて、ドル円も下落基調に入りました。
しかしどうも様子がおかしいな、ということで先週から下値が上昇傾向。

さてどうなるのでしょうか。
今週のFOMCはビックイベントです。

今日は何人かの方からお問い合わせがありましたので、FOMCについておさらいします。

米国・米連邦公開市場委員会(FOMC)

米国の中央銀行のことを、FRB (The Federal Reserve Board)=連邦準備制度理事会といいます。金融政策の最高意志決定機関です。
中央銀行の重要な仕事に、政策金利の決定があります。
米国の政策金利の数値決定は、FRBが開催する6週間ごとの火曜日・年8回の「米連邦公開市場委員会(FOMC・Federal Open Market Committee)で行われます。

FOMCの構成メンバーは合計12名(が原則)。

FRB議長をはじめとする「FRB理事」7名 (2019.6現在2名の欠員)
ニューヨーク連邦準備銀行総裁1名
以下の地区連銀からニューヨーク連邦準備銀行を除く11地区の持ち回りで4名

第1地区 ボストン連邦準備銀行      マサチューセッツ州ボストン
第2地区 ニューヨーク連邦準備銀行   ニューヨーク州ニューヨーク
第3地区 フィラデルフィア連邦準備銀行  ペンシルベニア州フィラデルフィア
第4地区 クリーブランド連邦準備銀行   オハイオ州クリーブランド
第5地区 リッチモンド連邦準備銀行    バージニア州リッチモンド
第6地区 アトランタ連邦準備銀行     ジョージア州アトランタ
第7地区 シカゴ連邦準備銀行       イリノイ州シカゴ
第8地区 セントルイス連邦準備銀行    ミズーリ州セントルイス
第9地区 ミネアポリス連邦準備銀行    ミネソタ州ミネアポリス
第10地区 カンザスシティ連邦準備銀行    ミズーリ州カンザスシティ
第11地区 ダラス連邦準備銀行         テキサス州ダラス
第12地区 サンフランシスコ連邦準備銀行    カリフォルニア州サンフランシスコ

2019年・FOMC構成メンバー

ジェローム・H・パウエル   FRB議長
ジョン・C・ウィリアムズ   ニューヨーク連邦準備銀行総裁
ミシェル・W・ボウマン    FRB理事(女性)
ラエル・ブレナード      FRB理事(女性)
ジェームズ・ブラード     セントルイス連邦準備銀行総裁
リチャード・H・クラリダ   FRB副議長
チャールズ・L・エバンス   シカゴ連邦準備銀行総裁
エスター・L・ジョージ    カンザスシティ連邦準備銀行総裁(女性)
ランドル・K・クォールズ   FRB理事
エリック・S・ローゼングレン ボストン連邦準備銀行総裁

オブザーバー(代替投票メンバー)

パトリック・T・ハーカー フィラデルフィア連邦準備銀行総裁
ロバート・S・カプラン  ダラス連邦準備銀行総裁
ニール・カシュカリ     ミネアポリス連邦準備銀行総裁
ロレッタ・J・メスター   クリーブランド連邦準備銀行総裁(女性)
マイケル・ストリン     ニューヨーク連邦準備銀行副総裁

FF金利

FOMCの開催で市場が注目するのは、FF金利(Federal Funds Rate)と言われている政策金利です。
まずFF(Federal Funds)=フェデラル・ファンドとは、アメリカ国内にある銀行が12地区にある連邦準備銀行に預け入れる準備金のことです。

アメリカの銀行にも、日本に都市銀行・地方銀行・信用金庫や信用組合があるように大きく4つに区分されています。

・マネーセンターバンク 
⇨銀行業務の他に証券・保険を扱う国際的金融メガバンク

・スーパーリージョナルバンク 
⇨海外に支店を持たない銀行業務の他に証券・保険を扱う全米に展開するバンク。

・リージョナルバンク
⇨地方銀行。隣接する州までがテリトリー。

・コミュニティバンク
⇨信用金庫・信用組合。州をさらに分けた郡単位で設立されていて、中小企業や個人を対象としている。上位銀行の商品やサービスを取次ぐことでも収益をあげている。

そのような区分をあわせると、驚くことにアメリカ全土で7000越える銀行があるのです。
日本の12倍です。

参考データ

アメリカ4大メガバンク(2017年資産額)

① JPモルガン・チェース銀行(JPMorgan Chase) —2兆5300億ドル
② バンク・オブ・アメリカ(Bank of America) — 2兆2800億ドル
③ ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo) — 1兆9500億ドル
④ シティグループ(Citigroup) —1兆8400億ドル

日本(2017年資産額)

① 三菱UFJフィナンシャル・グループ — 2兆7900億ドル
② ゆうちょ銀行 —1兆8700億ドル
③ 三井住友フィナンシャル・グループ —1兆7800億ドル
④ みずほフィナンシャル・グループ —1兆7200億ドル
⑤ 農林中央金庫 —1兆60億ドル

政策金利「FFレート」

それらの市中銀行は、自分たちの仲間の銀行が預けた準備金を貸し借りして日々の業務を行います。
この貸し借りは、翌日返済・無担保が原則。
その際の金利を「FF金利」「FFレート」といいます。
日本でいえば「無担保コール翌日物金利」に相当。

借り入れた銀行は、当然FF金利より高い金利で顧客に資金を貸しますから、FF金利が上がれば貸出金利も上昇。
住宅ローン、自動車ローン、場合によっては学資ローンなどにも影響が出てきます。
そしてFF金利が下がれば、貸出金利も下がることになります。

しかし銀行はどこの国でもそうですが、金利を上げるときは即時に上げますが、下げなくてはならなくなっても、なかなか下げないのが現状です。
そこでFRBはFF金利を誘導目標といって、市中銀行に対して、少し遅れててもいいから「FF金利に合わせてね。」と時間的猶予を与えています。

アメリカには、大中小さまざまな形態の銀行がありますが、さきほども書いた通りにその数7000行以上。

FOMCはアメリカ全土に広がる銀行網を通して、FF金利を調整し、その影響が即時に大きくアメリカ全土に反映されることで金融政策を実施しています。

政策金利の決定要素

FOMCが金利を決定する大きな要素は次の3点。
「消費者物価指数」と「消費者支出」にもとづいて測定された「インフレ水準」
「雇用(失業率)」
「国内総生産(GDP)」

原則的には、上記の経済指標が改善すると利上げを行い、逆に経済成長が減速すれば、借入を促すために金利を引き下げる可能性があります。

金利誘導の目的

連邦準備理事会の金利誘導の目的は、インフレ水準を目標値に調整することです。

金利の引き上げは為替相場では「ドル高」、引き下げは「ドル安」となります。

金利が変わらない場合、アナリストは次の会議の結果を予測するために、直近の会合の3週間後に公開される「米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨」に注目します。

 

昨日はBBQ。 肌が黒く見えるのは逆光だから…。

先週金曜日(14日)の主な経済指標の結果

16:00 中国
5月 小売売上高 [前年同月比]
結果:8.6% 予想:8.1% 前回:7.2%
5月 鉱工業生産 [前年同月比]
結果:5.0% 予想:5.5% 前回:5.4%

21:30 米国
5月 小売売上高 [前月比]
結果:0.5% 予想:0.6% 前回:0.3%
5月 小売売上高(除自動車) [前月比]
結果:0.5% 予想:0.3% 前回:0.5%

22:15 米国
5月 鉱工業生産 [前月比]
結果:0.4% 予想:0.2% 前回:-0.4%
5月 設備稼働率
結果:78.1% 予想:78% 前回:77.9%

23:00 米国
6月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値
結果:97.9 予想:98 前回:100
4月 企業在庫 [前月比]
結果:0.5% 予想:0.5% 前回:0.0%

先週金曜日(14日)の主な要人発言

習近平中国国家主席
「どのように状況が変わろうと、イランとは親密な関係を維持する」

トランプ米大統領
「習中国国家主席がG20サミット来るか来ないかは、重要ではない」
「中国はいずれ米国と合意せざるを得ない」
「中国は為替操作をしている」
「米連邦準備理事会(FRB)は、金利高に設定している」
「米国はイランが交渉の席に戻ることを望む。私はいつでも交渉の準備ができている」

先週金曜日(14日)のトレード 利益57銭

○下限・第1ターゲット/上限・第2ターゲットまで

先週金曜日(14日)の「ドル円/今日の設定レンジ」
上限は108.39円。下限は108.27円。

上限越えのターゲットは
108.45円、108.54円、108.65円、108.79円。
下限越えのターゲットは
108.17円、108.10円、108.02円、107.82円。
設定レンジ内のバランスラインは、108.31円。

下限・第1ターゲットと上限・第2ターゲットはピッタリと納まりました。

———-日本時間———-
1回目 15:30
バランスライン108.31円→第1ターゲット108.17円。「売り」14銭。

———-欧米時間———-
2回目 21:30 「愛菜の経済指標トレード」
上限・第1ターゲット108.45円→バランスライン108.31円。「売り」14銭。

3回目 23:00
バランスライン108.31円→上限・第1ターゲット108.45円。「買い」14銭。

4回目 0:00
設定レンジ上限108.39円→上限・第2ターゲット108.54円。「買い」15銭。

今週のドル円に影響を与えそうな経済指標

※発表時間ですぐに相場が反応したり、ドル円以外の通貨を経由して影響を受けたり、発表時の価格がそれ以降の相場の参考レートになったりします。

 

6月17日(月曜日)
米国 米通商代表部(USTR)、第4弾対中制裁発動に関する公聴会

21:30
米国  6月ニューヨーク連銀製造業景気指数

23:00
米国  6月NAHB住宅市場指数

26:00
ユーロ圏 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
■ECBフォーラム(ポルトガル)開会の辞

 

6月18日(火曜日)
米国 米連邦公開市場委員会(FOMC・~19日)
ユーロ圏 5月消費者物価指数

18:00
ドイツ  6月ZEW景況感調査(期待指数)
ユーロ圏 4月貿易収支(季調済)
ユーロ圏 4月貿易収支(季調前)
ユーロ圏 6月ZEW景況感調査
ユーロ圏 5月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)(前年同月比)
ユーロ圏 5月消費者物価指数(HICP、改定値)(前年同月比)

21:30
米国  5月住宅着工件数(年率換算件数)
米国  5月住宅着工件数(前月比)
米国 5月建設許可件数(年率換算件数)
米国  5月建設許可件数(前月比)

23:00
ユーロ圏 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
■ECBフォーラム(ポルトガル)閉会の辞

 

6月19日(水曜日)
日本 日銀・金融政策決定会合(~20日)
日本 5月貿易統計
米国 FOMC

8:50
日本  5月貿易統計(通関ベース、季調前)
日本  5月貿易統計(通関ベース、季調済)
英国  5月消費者物価指数(CPI)

15:00
ドイツ  5月生産者物価指数(PPI)(前月比)

17:00
ユーロ圏 4月経常収支(季調済)
ユーロ圏 4月経常収支(季調前)

17:30
英国  5月消費者物価指数(CPI)(前月比)
英国  5月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
英国  5月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
英国  5月小売物価指数(RPI)(前月比)
英国  5月小売物価指数(RPI)(前年同月比)
英国  5月卸売物価指数(食品、エネルギー除くコアPPI)(前年同月比)

18:00
ユーロ圏 4月建設支出(前月比)
ユーロ圏 4月建設支出(前年同月比)

20:00
米国 MBA住宅ローン申請指数(前週比)

27:00
米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表

27:30
米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

 

6月20日(木曜日)
日本 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
日本 5月主要コンビニ売上高(日本フランチャイズチェーン協会)
欧州 EU首脳会議(ブリュッセル・~21日)

8:50
日本  前週分対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)
日本  前週分対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)

11:30(予定)
日本 政策金利発表

13:30
日本  4月全産業活動指数(前月比)

15:30
日本  黒田東彦日銀総裁、定例記者会見

17:30
英国  5月小売売上高(除自動車)(前月比)
英国  5月小売売上高(除自動車)(前年同月比)
英国  5月小売売上高(前月比)
英国  5月小売売上高(前年同月比)

20:00
英国  イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
英国  英中銀資産買取プログラム規模
英国  英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨

21:30
米国  1-3月期四半期経常収支
米国  6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
米国  前週分新規失業保険申請件数
米国  前週分失業保険継続受給者数

23:00
米国  5月景気先行指標総合指数(前月比)
ユーロ圏 6月消費者信頼感(速報値)

29:00
英国  カーニー英中銀(BOE)総裁、発言
■Mansion House Bankers ‘and Merchants’ Dinner

 

6月21日(金曜日)
日本 5月全国消費者物価指数(CPI)

8:30
日本  5月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
日本  5月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比)
日本  5月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月比)

16:30
ドイツ  6月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
ドイツ  6月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)

17:00
ユーロ圏 6月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
ユーロ圏 6月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)

22:45
米国  6月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
米国  6月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
米国  6月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)

23:00
米国  5月中古住宅販売件数(年率換算件数)
米国  5月中古住宅販売件数(前月比)

 愛菜の経済指標・用語解説 ♥(本日分)

ニューヨーク連銀製造業景気指数

ニューヨーク州の製造業における景況感を示す経済指標のこと。
通常なら「フィラデルフィア連銀製造業景気指数」の前に発表されます。
発表は、ニューヨーク連邦準備銀行。
総合景気指数よりも、仕入価格・販売価格・新規受注・出荷・入荷遅延・在庫水準・受注残・雇用者数・週平均就業時間などの項目別数値の方が重要視されていて、それは私たちがすぐに知ることのできない数値。

NAHB住宅市場指数

米国の不動産業者(住宅建設業者)の景況感を示す経済指標のこと。
発表は、NAHB=全米住宅建設業者協会。
NAHB住宅市場指数の上昇は、今後の景気拡大や住宅価格の上昇を見込んでいる人が多いということで、ドル買いの要因。

 

2019/06/17(月曜日)
ドル円/今日の設定レンジ
上限は108.70円。下限は108.50円です

ターゲット

設定レンジの上限を越えたらー
108.79円、108.87円、108.98円がターゲット。

設定レンジの下限を越えたらー
108.42円、108.30円、108.20円をターゲットとします。

設定レンジ内のバランスラインは、108.58円です。

※設定レンジ内では、設定レンジの上限が抵抗線として上値を押さえ、設定レンジの下限が支持線として下値を支える目安となりますから気を付けてください。
また設定レンジの上限や下限を越えた後は、上限や下限が支持線や抵抗線となります。

※設定レンジ&ターゲットはボラティリティ(変動)を考慮していますが、オーバーシュート(行き過ぎた動き)する可能性があることにも注意してください。

「ドル円/今日の設定レンジ」テクニカルは「買い」

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「ドル円/日足」上限108.58円 下限107.80円

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愛菜の実戦トレード 今日の予想・攻略法

今日注目の経済指標は
「21:30 米国 6月ニューヨーク連銀製造業景気指数」
前回値17.8で予想値が11.0。
予想値は3ヶ月連続で上げてきているので、11.0よりも今回の結果が悪ければ急落と言われています。

「23:00 米国 6月NAHB住宅市場指数」については、小幅ながらも上昇期待。

米国10年債利回りが底堅くなってきてます。基本は「ドル高」。

さきほどポンペオ米国務長官が
「トランプ米大統領は、G20サミットで米中首脳会談が実現すれば、香港の人権問題を議題として提起すると思う。」と発言。

ますます習近平国家主席が、G20サミットに来るかわからなくなってしまった。
これは対中関税の発動につながって「ドル安」

中国は「レアアースを関税問題の取引材料にはしない。」と言ったばかりなのに…。

米国は、中国を追い詰めています。

 

ファンダメンタルズも確定要素に欠けています。
次第にFOMCに向けた様子見ムードになってくるのでしょうか。

そうは言っても相場に入らなければ、ただの人。

今日は設定レンジ内のバランスラインを見合いながらトレード。

下落したら、設定レンジ下限や下限ターゲットからの「買い」にチャレンジしてみます。
「設定レンジ&ターゲット・Pivot」と、欧米時間になったら「愛菜の3MAトレード」5分足でトレードを組み立てます。

 

※「愛菜の実戦トレード」の内容は、あくまでも書いている時点というのが前提ですから、要人発言や報道で相場の流れが変わったり、経済指標の発表直前の価格で考えていたように動かないことがあったりするので注意してください。

※欧州勢が参入してくる午後3時~午後4時と、アメリカ勢が参入してくる午後10時前後には相場の流れが大きく変化することがありますから注意が必要です。

 

今週はFOMC後のパウエルFRB議長の発言や、習近平国家主席のG20への参加に関するヘッドラインニュース、対中関税に関する要人発言で大きくドル円も動くでしょう。

どちらに転んでくれてもいいので、大きな動意に期待したい週です。
寝不足には注意して、今週も頑張りましょう。

天野 愛菜(まな)