ジョンソン首相対メルケル首相

こんにちは、天野愛菜です。

英国をEUに引きとどめて「上納金」の減少を免れたい欧州委員会と、EUへの分担金が減らないのであれば「離脱」しか選択肢がないとするジョンソン首相との駆け引きの真っ最中の欧州。

巨大化しすぎた官僚機構・欧州委員会を維持していくためには、EU予算の英国からの上納金が占める15~20%が減っては死活問題

一方の英国は、製造業はとっくの昔に終わっていて今の主要産業はいうなれば「シティ」だけ。
その状況で英国民を養っていけるか、というと不安満載で、EU以外の国との貿易に依存していく必要があります。
たとえば米国・中国・日本・ロシアとアジア諸国。

電話会談

そのような中で昨日は、ジョンソン首相とメルケル首相の電話会談がありました。
香港問題を切り札として中国と接近しているジョンソン首相と、欧州では対中貿易や政策で主導権を握っているメルケル首相との一騎打ち。

そもそも英国の「シティ」をドイツのフランクフルトに移して、中国と一緒になって世界金融をリードしたい思惑があったメルケル首相でしたが、トランプ大統領の登場でその戦略が頓挫してしまいました。
最近までは、国内経済の立て直しに奔走していたメルケル首相が、ジョンソン首相の登場で、「国際金融業務については、オープンでかつ欧州と両立して運営していける」という発言から、メルケル首相の野望は息を吹き返しました。
独中の金融連携会合も再開されて、中国からドイツ銀行の救済を受けることになりましたが、そこに香港デモが勃発。

ジョンソン首相と中国の接近。

香港はかつて英国領であったことから、BNO(英国国民(海外)パスポート)あるいはBDTC(英国属土公民パスポート)保持者が、香港人口739.2万人のうちの半数以上がそうであると言われていて、中国政府は英国政府にその影響力をもって今回の香港デモの終息を依頼しています。

ジョンソン首相の条件は、英中貿易の開始と拡大。
当然中国にとっても渡りに船です。

習近平国家主席からの秋波

そこで習近平国家主席の香港で行われた「一帯一路政策会合」での話しにつながります。

「ロンドンは、米国に次ぐ世界最大の金融センターであるため、中国の投資家がロンドンに投資することは適切だと考えています。
すなわちロンドンは、グローバルビジネスの成長において最高の地位と経験を持っており、中国が夜であるときロンドンは昼間という世界経済が流動するビッグなタイムゾーン、そして成熟した銀行と金融、規制当局と政府機関、世界有数の大学と人材へのアクセスが可能であるからです。」

中国の後ろ盾を得たジョンソン首相の自信と、習近平国家主席の発言で中国におけるドイツの地位が後退したことによるメルケル首相の焦燥感が、昨日のお二人の「けなし合い」の背景にあったわけです。

昨日のトレード 利益40銭

☆達成ターゲット/下限・第3ターゲット

昨日の「ドル円/今日の設定レンジ」
上限は107.40円。下限は107.20円。

上限越えのターゲットは
107.46円、107.58円、107.65円、107.74円。
下限越えのターゲットは
107.12円、107.00円、106.93円、106.77円。

設定レンジ内のバランスラインは、107.30円。

昨日は、英独首相の「けなし合い」から、欧州時間になって相場は下落。
まさかの第4ターゲット106.77円の手前の106.80円まで。
先週からお二人の言い合いはあったのですが、市場は冷静でした。
しかし昨日は欧州時間の午前中から、続々と出てくるお二人以外の発言に市場は翻弄されました。

極めつけは、トゥスクEU大統領の発言。
「英国は交渉をまとめたくもなく、交渉延長もしたくなく、離脱撤回もしたくなく、どこに行くつもりだ? 本当に合意なき離脱をするつもりか?」。
リスク回避が進行しました。

米国勢が参入してきてからは、blogに書いた「ドル買い」。
お誘いをいただいて参加しているチャットが面白かったです。

「おいおい、ドイツ人はどこまで下げてんだよ。」
「欧州中央銀行は、打つ手がないのか?」
「まだ下げ相場は早いんだよ。」
などなど、欧州勢を非難するコメント多数。
そして
「今日のドル円は、107.47円はムリ。だって106.80円からのスタートだよ。上昇してもMANAラインの107.30円までで50銭増し。」(ちょっと自慢・w)
ということで昨日の最高値は、バランスライン107.30円でした。

―――欧米時間―――

1回目 21:36
106.87円<Pivot 1H・Key>→下限・第3ターゲット106.93円。「買い」6銭。

2回目 23:50
下限・第3ターゲット106.93円→下限・第1ターゲット107.12円。「買い」14銭。

3回目 0:33
下限・第2ターゲット107.00円→設定レンジ下限107.20円。「買い」20銭。


昨日のトレードは、21時30分から1時50分まで。
レンジの上下でスキャルをしてもよかったのですが、あの集中力を出すにはちょっと体力不足でした。

2019/10/09(水曜日)
ドル円/今日の設定レンジ
上限は107.20円。下限は106.93円です

ターゲット

設定レンジの上限を越えたらー
107.28円、107.39円、107.45円がターゲット。

設定レンジの下限を越えたらー
106.82円、106.76円、106.68円をターゲットとします。

設定レンジ内のバランスラインは、107.06円です。

※設定レンジ内では、設定レンジの上限が抵抗線として上値を押さえ、設定レンジの下限が支持線として下値を支える目安となりますから気を付けてください。
また設定レンジの上限や下限を越えた後は、上限や下限が支持線や抵抗線となります。

※設定レンジ&ターゲットはボラティリティ(変動)を考慮していますが、オーバーシュート(行き過ぎた動き)する可能性があることにも注意してください。

※為替レートや為替チャートはFX会社によって数値に差異がありますので、ここで表示した「ドル円/今日の設定レンジ」とは異なる場合があるので、値幅を中心に考えてください

「ドル円/今日の設定レンジ」1時間足

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愛菜の実戦トレード 今日の予想・攻略法

今日の注目は
「23:30 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言」
カンザスシティで行われる地域経済会議での挨拶が注目されています。
発言要旨は、日本時間の午後9時には関係者に配布されるようですから、一気に動く可能性があります。これは要注意です。

その前の
「23:00 米国 JOLTS求人労働異動調査」が、にわかに注目を集めています。
よい結果が見込まれていて、これは「ドル高」。

今晩のドル円は、閣僚級の米中通商協議の決着は「玉虫色」と言われてるので、そこからの下落までに買い上げておきたい米国勢がやや優勢。
米国勢には「リスク回避」の考えは、いまのところありません。

ポイントは、「1時間足 移動平均線75」。
一昨日も昨日も、米国時間になってから上に抜けに成功していません。
欧州時間になって、昨日のようにかけ離れてしまったら、移動平均線75は米国時間で上値目標。
米国時間までで、価格が設定レンジ内であれば、今晩は移動平均線75を抜けた上昇への期待を持っているわたしです。

※「愛菜の実戦トレード」の内容は、あくまでも書いている時点というのが前提ですから、要人発言や報道で相場の流れが変わったり、経済指標の発表直前の価格次第では考えていたように動かないことがあったりするので注意してください。

※欧州勢が参入してくる午後3時~午後4時と、アメリカ勢が参入してくる午後10時前後には、相場の流れが大きく変化することがありますから注意が必要です。

今日は治療で更新が遅くなりました。
今晩はしっかりトレードしたいです。

夏空と秋のススキ。
これが沖縄。いつも素敵な空の下。

今日も、頑張りましょう、ね。

天野 愛菜(まな)