こんにちは、天野愛菜です。

今週の注目は、米中通商協議の行方、FOMC後の政策金利。

米中通商協議・先週金曜日の駆け引き

米中通商協議に関しては、先週の金曜日の夕方、中国・新華社発。
「中国政府は、米国から輸入される農産物の輸入関税を一部免除する」とヘッドラインニュースで流して、中国は関税撤廃するのだからアメリカもやるべきだ、と誘導目的報道。

報道先行で相手国に期待を持たせておいて、実際になったら、「あれはメディアが言ったことで政府とは関係ないし、その報道を信じたアンタの国の国民はどうかしている」という常套手段。
あえて社名は言いませんが、追随したのは日本のとあるメディア群だけで、欧州メディアは即刻「フェイク」と断定。
そしてトランプ大統領も、米国市場の開場前に
「匿名の情報源は信じるな。匿名報道はフェイクニュースだ」と牽制ツィート。
実際に日本以外の国は中国報道には辟易しているのですが、相場は一瞬振れます。

その後雇用統計で、米国株価の急伸、ドルの全面高を見届けた23:50。
クドロー米国家経済会議(NEC)委員長
「雇用統計は非常に強い数字で、米国雇用市場は再び上向いてきた。」
「米ドルは安定し信頼できる」
「官僚・事務レベルでの折衝では、米国と中国の第1段階の合意は近いが、トランプ米大統領は満足しておらず、署名する段階とは判断していない。」という趣旨の発言をしました。

ドル高要因

さて今週は今日を含めて、米中通商協議における「第1段階合意」の両国政府からの正式な会見報道があれば、109円台乗せ、そして110円台を目指す展開になります。

今、欧米のトレーダーさんたちが囁いていることは
・15日の追加関税はなし。
・「第1段階合意」はするが署名はなし。

その根拠は、昨日発表された「中国」の経済指標

12月8日(日曜日)中国税関総署 12:46
11月 対米輸出
結果:-1.1% 予想:ー5.9% 前回:-0.9%
※ 4ヶ月連続マイナス
11月 対米輸入
結果:0.3% 予想:ー6.4% 前回:-6.4%
※ 7ヶ月ぶりのプラスで、米国産の大豆と豚肉を大量に購入して、対米輸入が約3%増加したことが理由です。

習近平国家主席としては、「中国国内の反対勢力・江沢民一派の手前、アメリカに強行な姿勢を貫いている体裁が必要だから署名は出来ないけど、実際に米国産農作物の大量輸入はこれからも実行していくから勘弁してくれないかな。」ということです。

貿易統計だけは相手国があるので、ウソは言えません。
そこで昨日の日曜日にわざわざ発表して、「これから米国できちんと精査してよ。15日の追加関税回避になんとか間に合うよね。」と訴えているのです。

ですから欧米のトレーダーさんたちは、ドル高を見立てていますが、そこは相場。

ドル高になるにせよ、もう一段下げてからの方が値幅が取れていい、と大手ファンドは考えるので、彼らの意向を忖度してナーバスなフェイクニュースが流れてくるので要注意です。

FOMC後の政策金利

今回の雇用統計の結果から、据え置き説が大半になっています。

そこで今週は、ドル安誘導に持っていきたいトランプ大統領と米国財務省、そしてクドロー米国家経済会議(NEC)委員長の発言には要注意です。

ドル円では1円30銭~1円80銭の値幅が見込まれています。
これ、結構な恐怖です。
でもでも、しっかりと追随して頑張りましょう。

先週金曜日(6日)のトレード 利益46銭

☆達成ターゲット/上限・第2ターゲット

先週金曜日(6日)の「ドル円/今日の設定レンジ」
上限は108.78円。下限は108.66円。

上限越えのターゲットは
108.85円、108.93円、108.99円、109.07円。
下限越えのターゲットは
108.53円、108.43円、108.26円、108.06円。

設定レンジ内のバランスラインは、108.72円。

―――欧米時間―――

1回目 22:30~24:37 「愛菜の経済指標トレード」
①108.85円<上限・第1ターゲット>→108.66円<設定レンジ・下限>。「売り」19銭。
②108.93円<上限・第2ターゲット>→108.66円<設定レンジ・下限>。「売り」27銭。

雇用統計の結果はよかったのですが、上値は108.93円<上限・第2ターゲット>で109円台には乗せられず。

おそらく…、わたしもそうでしたがアナタも、少し冷静になって結果の詳細を見て「あれ?前回値の修正がビミョー。」と思いませんでしたか?
とくに平均時給について、修正値を考慮すれば「悪いじゃん!」。

22:30
11月 非農業部門雇用者数変化 [前月比]
結果:26.6万人 予想:18万人 前回:12.8万人→修正値15.6万人
11月 失業率
結果:3.5% 予想:3.6% 前回:3.6%
11月 平均時給 [前月比]
結果:0.2% 予想:0.3% 前回:0.2%→修正値0.4%
11月 平均時給 [前年同月比]
結果:3.1% 予想:3.0% 前回:3.0%→修正値3.2%

今朝の経済ニュースでは、「上記の結果から好調な経済事情を反映して株価急騰」と言っていましたが、それはあくまで株価上昇の後付け解釈であって、為替相場は状況をしっかりと把握していました。

雇用統計の発表後は急騰。
それからもみ合いを経て、ゆっくりと利益確定が始まりました。
おそらく市場参加者の利益確定ターゲットは、15分足チャートの転換線・108.71円と見込みました。

途中、5分足チャートの移動平均線(21)で跳ね返りましたが、これはスキャルチームの定石。この回のわたしは無視。

市場は次の24:00経済指標の発表待ち。わたしはそのまま「売り」キープ。
価格は108.78円。この程度で決済してしまうと、次のエントリーが難しくなるから。
結果がよくても、109.00円を狙える力はない指標たちだったので、最悪はナンピンでいこう、と思っていました。

24:00
12月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値
結果:99.2 予想:97 前回:96.8
10月 卸売在庫 [前月比]
結果:0.1% 予想:0.2% 前回:-0.4%
10月 卸売売上高 [前月比]
結果:-0.7% 予想:--% 前回:0.0%→修正値-0.1%

発表後に108.86円までの上ヒゲ。(あっ、売りサイン発動)。
15分足チャートの3MAはしっかり下向き。
ここで安堵のコーヒーをひとくち。

そして24:15には、15分足チャートの転換線・108.71円に向かって今度は下にヒゲが伸びましたが、しかしもう一息かな、と思えたのは上記の経済指標の発表で「ミシガン大学消費者態度指数」はよかったのですが、卸売在庫と卸売売上高を見て「相変わらず冴えないなぁ」という雰囲気が蔓延していたから。

そしてさらに下降した後、「雇用統計」の「売り」ポジションが、108.66円<設定レンジ・下限>で決済できました。

15分足チャートでは、転換線、移動平均線(21)、設定レンジ・下限が集中していました。
このようなときは、誰もAIすらも、どこに飛んでいくかわかりませんから、いつもわたしは迷わず決済しています。

最初から2枚ずつ入れておいて、24:00前に半分決済して、残りは108.66円で決済していたらなぁとか、欲というのは結果を見てから出てくるもの。

まぁ今のわたしの実力はこの程度、と自分を慰めつつ、この欲を次回につなげようと思って、この日の1回だけの仕込みに満足して先週のトレードを終了しました。

今週、ドル円の動きに影響を与えそうな経済指標

12月10日(火曜日)
・ノーベル化学賞授賞式 吉野彰(旭化成名誉フェロー)さん受賞式

10:30 中国 11月 消費者物価指数(CPI)・ 生産者物価指数(PPI)
19:00 ドイツ・ユーロ圏 12月 ZEW景況感調査

12月11日(水曜日)
・米連邦公開市場委員会(FOMC)

22:30 米国 11月 消費者物価指数(CPI)
28:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
28:30 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

12月12日(木曜日)
・英国 下院総選挙

21:45 ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)政策金利
22:30 ユーロ圏 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、記者会見
22:30 米国 11月 卸売物価指数(PPI)

12月13日(金曜日)
・台湾総統選告示

08:50 日本 10-12月期 日銀短観
22:30 米国 11月 小売売上高 [前月比]

2019/12/09(月曜日)
ドル円/今日の設定レンジ
上限は108.66円。下限は108.54円です

ターゲット

設定レンジの上限を越えたらー
108.72円、108.77円、108.84円、108.91円がターゲット。

設定レンジの下限を越えたらー
108.50円、108.43円、108.35円、108.23円をターゲットとします。

設定レンジ内のバランスラインは、108.60円です。

※設定レンジ内では、設定レンジの上限が抵抗線として上値を押さえ、設定レンジの下限が支持線として下値を支える目安となりますから気を付けてください。
また設定レンジの上限や下限を越えた後は、上限や下限が支持線や抵抗線となります。

※設定レンジ&ターゲットはボラティリティ(変動)を考慮していますが、オーバーシュート(行き過ぎた動き)する可能性があることにも注意してください。

※為替レートや為替チャートはFX会社によって数値に差異がありますので、ここで表示した「ドル円/今日の設定レンジ」とは異なる場合があるので、値幅を中心に考えてください

「ドル円/今日の設定レンジ」1時間足

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愛菜の実戦トレード 今日の予想・攻略法

今日は注目されている経済指標はありません。

今日の上限ターゲットはドテン狙い。下限ターゲットは、バランスラインや設定レンジ・下限からの「売り」ターゲット。

米中通商協議の進展報道があるまでは、リスク回避による持ち高調整が進みます。
「株安・円高」が強まる可能性があって、「売り」メインが今日はベストではないかな、と思っています。

※「愛菜の実戦トレード」の内容は、あくまでも書いている時点というのが前提ですから、要人発言や報道で相場の流れが変わったり、経済指標の発表直前の価格次第では考えていたように動かないことがあったりするので注意してください。

※欧州勢が参入してくる午後3時~午後4時と、アメリカ勢が参入してくる午後10時前後には、相場の流れが大きく変化することがありますから注意が必要です。

今月の山場は、今週の5日間。
注意点は、フェイクニュースによる急変。フェイクなら元の位置に戻るので慌てる必要はありません。
しかし米中両政府の発言なら、踊り場の位置が変更しますから、そこはしっかりと、相場の流れに乗りたいです。

山茶花(サザンカ)。
近くの商店街。24節気の「小雪」中は童謡「たき火」のメロディ。土曜日の「大雪」からは「ジングルベル」が流れています。
鈴の音、シャンシャン。モモちゃんのお財布のヒモが緩みますように!

今週は相場の跳躍に期待して、しっかり値幅を狙っていきましょう。

天野 愛菜(まな)