こんにちは、天野愛菜です。

世界経済において大きな懸案であった「米中通商協議・第1段階の合意」で、「休戦」。
ひとまず安堵の声が聞こえています。
発表は午前0時に中国政府からありました。

結果は、中国にとって「最重要事案」(廖岷財政次官)だった15日の1600億ドルの追加制裁関税が撤回。
それに第4弾で9月に発動されていた1200億ドル分の15%の税率が、7.5%に引き下げられたというオマケが付きました。

米中貿易戦争が始まる前から景気減速に直面していた習近平政権にとって、安易な妥協は出来ないところだったので、15日の追加関税の撤回と、一部とはいえ税率の引き下げがあったことは大きな成果となりました。

日本国内の報道では「トランプ大統領の再選や弾劾があって米国政府は譲歩した」という論調ですが、米国では、「中国経済の構造的な要因による景気減速を、米国の責任にされずによかった」というコメントが目立っていました。

中国・豚の大量死

そして農産品購入拡大をめぐって、双方の説明に隔たりがありました。
米国・「国は今後2年間で平均400億~500億ドル相当」
中国・「大幅に増やす」

この件について米国政府は、事前に国民に対して、
「農産品の輸出拡大は、中国国内の事情で難しいかも知れない。」
「アフリカ豚コレラ(ASF)で豚が大量死していて、中国が輸入する農産品の半分をしめる豚の飼料用大豆の需要が激減する可能性が大きい。」
と布石を打っていました。

中国・農業農村部は、「アフリカ豚コレラ(ASF)が原因による1億頭の豚の大量死」を公表していますが、米国・農務省は2017年の7億400万頭からこの2年間で4億2800万頭まで激減。合計で2億7600万頭が大量死したと発表しています。

ですから今回の農産品の輸出拡大については、双方の発表に隔たりがあっても米国内では問題になっていませんし、それが実現しなくてもトランプ大統領の責任ではない、と受け止められています。

トランプ大統領としては、反体制派の巻き返しと、中国国内景気の悪化に苦慮している習近平国家主席に恩を売った形になりました。

わたしとしては、トランプ大統領の寝技勝ちと思っているのですが、アナタはどうでしょうか?

先週金曜日(13日)のトレード 利益1円25銭

☆達成ターゲット/上限・下限 第1ターゲット

先週金曜日(13日)の「ドル円/今日の設定レンジ」
上限は109.57円。下限は109.35円。

上限越えのターゲットは
109.60円、109.72円、109.80円、109.91円。
下限越えのターゲットは
109.26円、109.18円、109.06円、108.93円。

設定レンジ内のバランスラインは、109.44円。

―――日本時間―――
1回目 9:50
109.43円<Pivot 1H・Key>→109.57円<設定レンジ・上限>。「買い」14銭。

―――欧米時間―――
2回目 21:39
109.65円<Pivot 1H・Key>→109.44円<バランスライン>。「売り」21銭。

CNBC
「中国は依然として米農産物の購入目標に関して懸念を抱いている」

CNBCとは、ニュース通信社ダウ・ジョーンズと、アメリカの大手テレビネットワークのひとつNBCが共同設立したニュース専門放送局。チャンネル名はConsumer News and Business Channel (コンシューマー・ニュース・アンド・ビジネス・チャンネル)の頭文字をとったもの、とされている。
「ウィキペディア(Wikipedia)より」

3回目 22:38
109.60円<上限・第1ターゲット>→109.26円<下限・第1ターゲット>。「売り」34銭。

トランプ大統領
「ウォール・ストリート・ジャーナルの記事は間違っている」

4回目 0:01
109.35円<設定レンジ・下限>→109.60円<上限・第1ターゲット>。「買い」25銭。

中国政府・声明
「第1段階の貿易交渉は、大きな進展を遂げた」
「米国は、中国製品への関税を段階的に削減する」
「中国は米国からの輸入を拡大する」
「米中は文書署名について合意が成立した」
「米中両国、12月15日の関税発動をしないことで一致した」

5回目 0:08
109.57円<設定レンジ・上限>→109.26円<下限・第1ターゲット>。「売り」31銭。

blogで書いていた上昇直後の急落。ここでの下値は108.20円。第2ターゲット108.18円に届かず戻ったところで決済となりました。ちょっと残念…。

今週、ドル円に影響を与えそうな経済指標

12月16日(月)
・日本 12月短観「企業物価見通し」
・日本 輸出管理に関する韓国との局長級対話(経産省)

17:30 ドイツ
12月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)

18:00 ユーロ圏
12月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)

18:30 英国
12月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)

22:30 米国
12月ニューヨーク連銀製造業景気指数

23:45 米国
12月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
12月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)

12月17日(火)
・欧州 11月欧州新車販売件数

22:30 米国
11月建設許可件数
11月住宅着工件数

23:15 米国
11月鉱工業生産
11月 設備稼働率

12月18日(水)
・日本 日銀金融政策決定会合(~19日)

19:00 ユーロ圏
11月消費者物価指数(HICP、改定値)
11月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)

12月19日(木)
・米国 米大統領選に向けた民主党の第6回候補者討論会

15:30 日本
黒田東彦日銀総裁、定例記者会見

22:30 米国
12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
前週分失業保険継続受給者数
前週分新規失業保険申請件数

24:00 米国
11月中古住宅販売件数
11月景気先行指標総合指数

12月20日(金)
・日本 2020年度予算案が閣議決定
・日本 12月の月例経済報告(閣議終了後、内閣府発表)
・中国 中国へのマカオ返還20年、習近平国家主席が式典出席

08:30 日本
11月全国消費者物価指数(CPI)

18:30 英国
7-9月期 四半期国内総生産(GDP、改定値)

22:30 米国
7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、確定値)

24:00 米国
11月個人消費支出(PCEデフレーター)
12月ミシガン大学消費者態度指数・確報値

2019/12/16(月曜日)
ドル円/今日の設定レンジ
上限は109.45円。下限は109.33円です

ターゲット

設定レンジの上限を越えたらー
109.53円、109.60円、109.72円、109.79円がターゲット。

設定レンジの下限を越えたらー
109.28円、109.20円、109.14円、109.06円をターゲットとします。

設定レンジ内のバランスラインは、109.41円です。

※設定レンジ内では、設定レンジの上限が抵抗線として上値を押さえ、設定レンジの下限が支持線として下値を支える目安となりますから気を付けてください。
また設定レンジの上限や下限を越えた後は、上限や下限が支持線や抵抗線となります。

※設定レンジ&ターゲットはボラティリティ(変動)を考慮していますが、オーバーシュート(行き過ぎた動き)する可能性があることにも注意してください。

※為替レートや為替チャートはFX会社によって数値に差異がありますので、ここで表示した「ドル円/今日の設定レンジ」とは異なる場合があるので、値幅を中心に考えてください。

「ドル円/今日の設定レンジ」1時間足

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愛菜の実戦トレード 今日の予想・攻略法

今週のメインの経済指標はー
12月20日(金)
24:00 米国
11月個人消費支出(PCEデフレーター)

なのですが、「米中通商協議・第1段階の合意」や「英総選挙で与党保守党が圧勝」でファンダメンタルズも落ち着いてきたので、今日は中程度の影響ですが、ドイツ・ユーロ圏・英国・米国の「購買担当者景気指数(PMI、速報値)」が注目されています。
ドル円にとっては、欧州のPMIと比較して動きますから、その点は要注意です。

これからはリスク選好でドル高と言われていますが、海外トレーダーさんたちは、来週のクリスマスを控えて、利益確定(ポジション調整)を狙って「売り」スタンスです。
今年は、今週で仕事はおしまい、なんて言っています。

このところ毎回書いていますが、
「噂(期待)で買って、事実(内容・確認)で売る(手仕舞う)」。

今日のわたしのトレードは、上がってからの「売り」狙いで挑戦です。

※「愛菜の実戦トレード」の内容は、あくまでも書いている時点というのが前提ですから、要人発言や報道で相場の流れが変わったり、経済指標の発表直前の価格次第では考えていたように動かないことがあったりするので注意してください。

※欧州勢が参入してくる午後3時~午後4時と、アメリカ勢が参入してくる午後10時前後には、相場の流れが大きく変化することがありますから注意が必要です。

お花屋さんやスーパー、ホームセンターの店頭には、シクラメンが並べられてきました。
クリスマスから年越ししてお正月過ぎまで、どんどん芽吹いて花を咲かせます。
生命のパワーを目の当たりにします。

街路の木々がクリスマスのイルミネーションで飾られて、透明な空気で肌が乾燥しても、心はポカポカの季節になりました。

今週も頑張って、トレードしましょう、ね。

天野 愛菜(まな)