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トランプ大統領の発言でドル円下落

アメリカ製品を日本に輸出することを考えると、ドル安円高の方が私たち日本人にはお手頃感が出てきますし、アメリカからの輸入量も相対的に増えてきます。

1ドルのアメリカ製品を買おうとすれば昨日の高値だと107.50円です。

先月3月23日の安値は104.64円ですから、2週間で約3円も違うわけで、これが1万ドルの商品だと3万円も安く買えることになります。

さらにドル安が進んでいって、何千億円の取引ともなるとその差益は莫大なものです。

アメリカにとっては大喜びです。

(実際には邦銀の公示価格が基準ですから単純な話ではありませんが、概観ではそうなります。)

過去のドル安円高圧力

以前アメリカは、今の中国に対して求めている貿易不均衡の問題を日本に突きつけて、内需拡大を求めました。

「アメリカで商売することばかりを考えないで、日本で作った物は日本で売れ。そしてアメリカの製品を日本国内でもっと売れ。」と。

表向きは内需拡大という表現でしたが、実際にはドル安円高圧力でした。

実際には小麦や飼料、牛肉などはもともと大量にアメリカから買っていたんですけれど、当時はアメリカの農業生産技術の発展が著しく作物の作り過ぎもその原因のひとつでした。

とくに日本が2009年に民主党政権になってからというもの、サブプライム問題からのリーマンショックの影響が尾を引いていたこともありましたが、最終的には2011年10月1日には1ドル75.570円までの超円高になったのです。

日本企業は疲弊の極致となって海外からは「日本は沈没する」といわれました。

そこから自民党政権が復活して、「アベノミクス」が国際的に評価されてアメリカとも対話が出来るようになったことと、サブプライム問題からのリーマンショックがあって一時期は「世界大恐慌」に陥ると世界中の人たちが怯えていましたが、アメリカによる世界中への大量の「ドル投資」の恩恵もあって、2015年6月1日には1ドル125.854円にまでなりました。

イエレン議長の功績

そのような中、2014年に連邦準備制度理事会(FRB)の議長にイエレンさんが就任して、世界中にばらまいたドルを回収しょうと、世界的な大混乱を避けるように市場と対話を重ねながら主要短期金利の「利上げ」に着手しました。

大量のドル投資によって経済が発展したBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)などは、資金が大量にアメリカに回帰する「利上げ」には大反対しましたけれど、「もともとは誰のお金なの?それを戻して貰うだけ。」とイエレン議長はそんな感じで、「利上げ」を既成事実化して現在の世界金融市場を形成しました。

トランプ大統領の登場

そのような中で「アメリカ第一主義」を掲げてトランプ大統領が就任しました。

彼はビジネスマンであり投資家。

「これからはアメリカの製品を世界中に売りまくるぞ。」―と。

それにはやっぱり「ドル安」だ。

しかし今の彼にはジレンマがあるのです。

ドル安にしたいけれど、株価は上げたい。

株価が上がるということはアメリカ経済が発展しているということで、当然ドルを買う行為が触発されてドル高円安になります。

そこで都合がよかったのが「北朝鮮リスク」の喧伝

アメリカにとっては地球の裏側の「北朝鮮」。アメリカの株価が下がるといっても、それは調整反落のレベルですぐに持ち直します。

そしてリスク回避で円高。

閑話休題:アメリカのサイトには

「北朝鮮が核爆弾を開発してミサイルに搭載してアメリカ本土を狙ってきたとしても爆発なんてさせられないよ。核を爆発させるには核融合を開始してから臨界にまで達しなければならないけれど、その時間調整が至難の業。広島に落としたときは10数分のレベルが必要だった訳で現在の技術でもその半分の時間がかかる。ミサイルが大気圏に再突入してから地上数キロのところで効果的に破裂させるには、アメリカでさえ人工衛星を使った誘導装置でも難しいことなのに、北朝鮮の核弾頭ミサイルなんて万が一アメリカ本土に届いたとしても爆発しないで地面に激突して穴があくだけ。」

そんな書き込みがたくさんありました。

ドル安への願望

トランプ大統領にとっては、現時点では米朝首脳会談がセットされるまでになってこの「北朝鮮リスク」は使えなくなりました。

そこで持ち出してきたのが「関税問題」。

昨日はトレードしながら107.00円を越えて大きな抵抗線と機能していた107.28円をクリアーした段階で「きっと何かある。」と思っていたのは私だけではないと思います。

107.50円に届くか届かないところで

「中国向けに追加関税1000億ドルを検討するようにUSTRに指示」と発言して、そこからドル円の下落が開始しました。

トランプ大統領の本音が垣間見えた発言でした。

2018/04/06(金曜日)
ドル円/今日の設定レンジ
上限は107.44円。下限は106.98円です。

「ドル円/今日の設定レンジ」107.50円の攻防

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「ドル円・日足」上昇基調に入れるか

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今日の経済指標

4月6日 (金曜日)

21:30
米国 米3月非農業部門雇用者数
米国 米3月失業率
米国 米3月平均時給

翌2:30 米国 パウエルFRB議長、講演

今日のトレード戦略

107.50円越えとなってそれがドルの上昇につながるのか、がポイントではないでしょうか。

日本時間では、今日の仲値公示107.22円を何度がトライした上で上昇。次の天井が107.50円です。

設定レンジの上限を越えたら、107.50円、107.67円、107.97円がターゲット。

設定レンジの下限を越えたら、106.88円、106.70円、106.44円をターゲットとします。

今週は気の抜けない相場で疲れました。

明日とあさってのお休みにワクワクしながら今晩も頑張ります。

よい週末を…。

愛菜